遺品の整理の際に出た故人の生前愛用品(遺産相続に該当しないもの)を近親者で分配します。
相続とは異なりますので法律上の優先順位はありませんが、目上の人など配慮はしたほうが良さそうです。
衣類などはクリーニングに出してから配分しましょう。
宗派によって異なりますが、香典返しは四十九日の忌明けに贈ります。
頂いた金額の二分の一から三分の一程度、いわゆる「半返し」で、お茶・石けん・タオルなど、後に残らない品物に挨拶状を添えて贈ります。
遺骨迎えの後、葬儀万端の労をねぎらい、「精進落し」で遺族が葬儀関係者をもてなします。
仕出し料理や折り詰めにお酒を添えたり、料亭や貸席で行うケースもあります。
地方によっては、通夜ぶるまいと同様に近隣の婦人たちの手で用意する風習もまだあるようです。
上座に僧侶(神官、牧師)、世話人代表やその他の世話人が座し、喪主、遺族、親族は末席に座します。
喪主(または親族代表)がお礼の挨拶をし、宴席では遺族側が一人ひとりに丁寧に酒の酌をして回り、お礼を述べます。
残った料理は折り詰めにし持ち帰ってもらうのが習慣となっています。
お遺骨を迎える前に玄関先に手洗いのための水や柄杓、手拭きなどを用意し、清めの塩を置きます。
遺骨が帰宅したら、一人ひとりに水をかけ、塩をふりかけ、死の不浄を清めます。
祭壇に安置した遺骨には、読経、焼香などをします。
※神式では帰家祭を行う場合もあります。
※キリスト教では祈りを捧げる場合があります。
出棺後、葬儀社や世話人によって用意される祭壇が「あと飾り」と呼ばれます。
減少傾向にありますが、地方により、今でも土葬の文化を継承してます。
遺骨を埋葬する際も、行列をして墓地へ行くという野辺送りの葬礼の形を残している地方もあります。
また、神道やキリスト教では現在でも土葬を行う場合があります。
火葬が済むと、骨を拾って骨壷に納める「お骨あげ」を行います。
二人一組で箸を使い、足から順に要所の骨を拾い、最後に喪主が「舎利」と呼ばれる「のどぼとけ」の骨を納めます。
火葬場では棺をかまどの前へ安置し、白木の位牌と遺影を飾り、僧侶が読経します。
このとき全員で焼香し、行うのが「納めの式」です。
その後、点火されます。
告別式終了後、親族は棺の前に喪主、遺族、近親者と血縁の深い順に並び、一輪ずつ棺の中の遺体のまわりを埋めるように敷き詰めます。 これを「別れの花」と呼びます。
新式のお通夜は「通夜祭」と呼ばれます。
楽員、一般参列者、続いて斎主(神職)という順に着席し、祭員が入場着席した後に、遺族、親族が入場します。
祭詞奏上(さいしそうじょう)が行われ、喪主から順に参列者一同、玉串奉奠(たまぐしほうてん、仏式の焼香にあたる)します。
この間、楽員は雅楽を奏します。
「遷霊祭(みたまうつし、と呼ばれます)」は、故人の霊を零代に遷す儀式です。
灯火を消した暗闇の中で、遺族、親族が参列し、神職の手で行われ、終わった後で納められて一家の守護神となります。
儀式の後には、死の穢れを忌むため、喪家で煮炊きはせず、外から運んだ食事で会食します。
遺族や近親者が喪に服している「しるし」として着けるものが喪章です。
喪服の上に、更に喪章を着ける必要はありません。
平服の場合でも、一般の弔問客や会葬者は着ける必要がありません。
通夜や葬儀で受付係や会場係の人が黒の腕章を巻いているのは遺族の立場にあることをあらわすためです。
通夜の席次は、棺に近いところから、喪主、肉親、近親者、友人という序列で座し、その後、僧侶の入場となります。
【男性】
和服・・・正式喪装黒の紋付き袴。
洋服・・・正式喪装モーニングコート。ネクタイ・ポケットチーフ・靴下・靴は黒を用います。モーニングコートに準ずる礼装としてブラックスーツが着用されます。
【女性】
和装・・・黒無地染め抜き五つ紋付。帯・帯揚・帯締は黒、半えりと足袋は白にします。
洋装・・・オーソドックスな黒無地のワンピースや、スーツ、アンサンブル。
日蓮宗では「法号」、浄土真宗では「法名」と呼び、その他の宗派では「戒名」と呼ばれます。
故人と同じ宗派であれば、枕経をあげた僧侶が戒名を付けます。
宗派がわからない場合は俗名で葬儀を行います。
枕元に枕飾りを整えます。ご飯を盛った故人愛用の茶碗、箸をまっすぐに立てる一膳めしや樒を挿した花立、水を入れたコップなどを置き、線香立ての線香は絶やさないようにします。
屏風を逆さに立て、ご遺体は北枕になるようにし、僧侶を迎えて枕経を上げていただきます。
北枕は釈迦の涅槃(ねはん)の姿勢、「頭北面西右脇臥(ずほくめんさいうきょうが、頭を北に、顔を西に向き、右横に臥す)」に倣うものです。
扉のある神棚は扉を閉め、扉のない神棚はご神体を隠すように半紙を貼り下げます。
※自宅葬儀の場合、絵画・賞状・生け花など装飾品は片付けます。
進行を指揮する人のことです。
喪家の事情や地域の習慣に詳しい方に世話役をお願いすることが一般的です。
寺院や葬儀社との打ち合わせに立会い、葬儀に関する様々な指示をします。
葬儀日程を決める前に、死亡を通知(別居の家族、親族、親しい友人、勤務先、等)する必要があります。
急死の場合の電文は「シス」ではなく「キトク」と打った方が、受け取った方のショックも軽減できると思います。
経帷子(きょうかたびら)などの死装束が通例ですが、最近では故人が生前愛用していた衣服や新品の浴衣などを着せるのが一般的になってきています。上にかけるものは宗旨・宗派に合わせてご用意いたします。
「末期の水」が完了後、遺体を洗い清める「湯灌(ゆかん)」を行います。
「逆さ水(たらいの水にお湯を注いだもの)」で清めていましたが、最近では、シャンプー・ボディーシャンプー・顔剃り・髭剃り・爪切り等を行い、ご遺体を洗い清めます。
【病院でお亡くなりになられた場合】
医師による死亡確認後、死亡診断書を受け取ります。
【ご自宅でお亡くなりになられた場合】
医師を呼び、状況を確認してもらいます。その後、死亡診断書を受け取ります。
【事故死の場合】
医師が警察に連絡し、検死後、死体検案書(死亡診断書)を警察から受け取ります。
※指示があるまで遺体を動かしてはいけません。
死に水とも言われる「末期(まつご)の水」は、医師に臨終を宣言されてから行います。
新しい筆の穂先か、割り箸の先にガーゼや脱脂綿を白糸でくくり、茶碗の水に浸して故人の唇を濡らすようにします。
配偶者から順次、血縁の濃い順に一人ずつ行います。
自宅に帰ってから行うことが多くなっています。